万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「越野過去」訓義私按
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
木下正俊
 ふりがな
きのしたまさとし
 発行年月
1953/7
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
8
 掲載頁
6466
 巻番号
2
 対象歌番号
195
 対象歌句番号
195-4
 歌作者データ
柿本人麻呂
 参考歌番号
207, 1797, 2487, 3305, 3309, 古今268
 キーワード
越野過去,横山英,「一云」・「或云」などの注記と本文との関係,過ぐ,「者」と「去」の誤写,木下正雄,仮定条件
 論文要旨
195番歌第四句の「越野過去」の訓義について考察する。この句は諸本の本文に異同がなく、金沢本以下の古訓では皆「コスノヲスギテ」であるが、字面から「テ」を補読することは無理である。この歌には「一云」という注記があり、本文と注記が同一になる訓は集中他に見えないことから、この句の訓には制約がつけられており、様々な訓や解釈が試みられる。筆者は、集中集十箇所に亘って見られる、「者」と「去」の誤写を指摘し、195番の本文を「越野過者」に改め、「ヲチノニスギバ」と訓み、「越智野におかくれになった以上は」と無句絶の歌と解釈すべきであろうと論じる。"