万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「干各」存疑
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
大野保
 ふりがな
おおのたもつ
 発行年月
1966/12
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
10
 掲載頁
7780
 巻番号
7
 対象歌番号
1298
 対象歌句番号
1298-1
 歌作者データ

 参考歌番号
629, 731, 737, 1298, 3174, 拾遺475
 キーワード
人麻呂歌集,読添,借音表記,神田本,紀州本,古葉略類聚抄,元暦校本,古今六帖,萬葉集古義,漢書,文選,遊仙窟,経国集,性霊集,本朝文粋,都氏文集,続本朝文粋,蜂谷宣郎
 論文要旨
萬葉集巻7・1291の一句目は紀州本(神田本)と古葉略類聚抄に「千各」とある他は、「千名」とあり他には異同がない。しかし古義が「干各」の誤字と見てから現在の注釈書は、多くそれに倣う。それに対し「トニカクニ」との訓及び「チヽノナニ」の赭が元暦校本に見え、またその他の古写本の訓もこれに近い訓であることなどから、誤写ではなく本来的に「千名」であったと論じる。また「千名」という語は漢籍にも見え、特に『文選』「別賦」の注に「千名、言多也」とあり、多くの名、転じてあれこれといろいろ多い意味だから、これを「とにかくに」万葉語の「かにかくに」に当てたと論じる。また助詞その他の読添の法則からしても妥当であるとする。"